6~8月の真夏が旬のししとう。素焼きやてんぷら、炒め物など、どの調理法でもおいしいですよね。
私も、あの独特な苦みが好きなので、ししとうの季節がくると、食卓によく並びます。
ただ、ししとうを野菜室に入れると、ほかの野菜に紛れて見えなくなることありませんか?
見つけたときには買ってきてから数日が経っていた、なんてことも…。
そんなとき、慌てて調理しようと思ってヘタを取ると種が黒い!
ししとう自体は変色していないけれど、種が黒いのだから腐っていると判断することもあると思います。
しかし、ししとうは種が黒いものでも食べることができます!
今まで腐っていると思い捨てていたあなたや、今まさに種が黒いししとうを見つけてしまったあなたも、今後は安心してししとうを食卓へ並べましょう。
ししとうの種が黒いものも食べられる理由と保存方法!
買ってきたはずのししとうが見当たらず「勘違いだったかな?」と思っていたら、数日後に野菜室の奥から出てくる…。なんて経験ありませんか?正直、私はときどきあります。
「見た目もそこまでしんなりしていないし、まだ平気だよね?」と慌てて調理しようとすると、ししとうの種が黒い!
見たことのない色をしていて、驚くと同時に「腐らせてしまったのかな?」と切ない気持ちになりました。
しかし、そんな種が黒いししとうでも、実はまだ食べることができます!
「食べることができるのは嬉しいけど、種が黒いのに本当に大丈夫なの?」と不安になりますよね。その気持ち、すごくわかります。
でも、食べても大丈夫です。むしろ、すぐに食べてしまうことをおすすめします。
なぜなら、ししとうの種が黒く変色するのは、鮮度が落ちてきたサインだからです。
ししとうは、傷みやすい野菜の上、寒さや乾燥にとても弱く、保存状態によってはすぐに劣化を始めます。
せっかく買ってきたししとうを、早く腐らせるのはもったいないですよね。
ただ、保存方法によっては、鮮度を保ったまま保存することが可能です。
以下では、ししとうの種が黒く変色していく理由と正しい保存方法を、詳しくご紹介します。
ししとうの黒い種は鮮度が落ちたサイン
先ほども少し触れましたが、ししとうは傷みやすい野菜です。
したがって、熟す前に収穫をして出荷されています。
そのため、お店で見かけるししとうの種は、白く柔らかい状態のままです。
では、なぜししとうの種は黒く変色するのでしょうか。
実は、ししとうの種が黒い理由は、鮮度が落ち始めているサインです。
ししとうは、鮮度が落ちてくると、種が黒く変色し始めます。
次にヘタが茶色や黒色へと変わっていきます。最後に実の部分がしんなりし始め、変色していき次第にカビが生える、というように種やヘタから劣化を始める野菜です。
そのため、収穫から日にちが経つにつれ、成熟して鮮度が落ちてきたししとうの種は、黒く変色します。
したがって、種が黒い程度のししとうは、種を取ってしまえば、安全に食べることができます。
さらに、ししとうの種は、茶色く変色している場合もありますが、黒い状態と同様に鮮度が落ちてきているサインであるため、こちらも種を取ることで、実は食べることができます。
また、ししとうの種が黒い理由は、ほかにも「種が単に熟した」「たんぱく質や脂質が変質した」といわれています。
しかし、主な理由としては、ししとうの鮮度が落ちてきている証拠です。
そのため、種が黒いししとうは、種を取って早めに食べ切ることをおすすめします。
ししとうの正しい保存方法
鮮度が落ちると種が黒くなってしまうししとう。
あまり長持ちしないとわかっていても、今日使いたいわけではないこと、ありますよね。
私も「今日使う予定はないのだけど…」と、思いながらも食べたくて、つい買うことがあります。
そんなとき、冷蔵庫の野菜室に買ってきたパックや袋のまま入れておくと思います。私もよくそうして保存していました。
買ってきてから4日程度であれば、そのままの保存状態でも問題はありません。
ただ、お店に並ぶまでの時間もあるので、数日たった場合は様子を見ながら使うようにしましょう。
しかし、ししとうを保存するときに、少しめんどうくさく感じても、ひと手間加えるだけで、新鮮さを長引かせることができます!
以下では、ししとうの新鮮さを保ったまま保存できる方法についてご紹介しています。
ししとうを野菜室で保存する方法
まずは、野菜室に保存する方法をご紹介します。
数日~1週間以内に使う予定があるときには、こちらの方法をおすすめします。
通常の保存期間は4日程度なので、翌日使うのであれば、そのままでも問題はありません。
しかし、もう少し後に使う予定であれば、買ってきたししとうを洗って水気を取り、ペーパータオルに包んでからポリ袋に入れて野菜室へ保存してください。
こちらの方法で、1週間ほど、鮮度も保ったまま保存することが可能となります。
ししとうを丸ごと冷凍保存する方法
続いて、冷凍庫で保存する方法を2つご紹介いたします。
解凍後の調理方法に合わせた保存方法で行ってみてください。
まずは、丸ごと冷凍保存する方法からご紹介します。
ししとうの茎だけを切り落とし、洗って水気を切り、冷凍保存袋にできるだけ重ならないように入れて、空気を抜いて封をしてください。
このとき、ヘタを切り落とすと、断面から酸化しやすくなるので、切りすぎないように行ってください。
また、解凍後にししとうを丸ごと使用する場合は、包丁のあごで数ヵ所切り込みを入れると、弾けるのを防ぐことができますよ。
ししとうを千切りにして冷凍保存する方法
続いて、ししとうを千切りにして冷凍保存する方法をご紹介します。
ひと手間かかりますが、解凍後すぐに調理できるので、炒め物をしたいときにおすすめです。
ししとうを洗って、ヘタと種を取り除き、千切りにします。生のまま金属のトレーに乗せて冷凍します。完全に凍ったら、冷凍保存袋に入れて、冷凍庫で保存してください
どちらの方法を使っても、冷凍した場合は、1ヵ月保存することが可能です。
※冷凍保存をした場合、ししとうの種は「たんぱく質や脂質の変質」により、黒く変色します。
すぐに使えないときでも、鮮度や食感を保ったまま保存できるのは嬉しいですよね。
ぜひ、次にししとうを保存するときは、ご紹介した方法を試してみてください。
ししとうの種を取ることができる簡単な方法!
ししとうの種が黒い場合でも実は食べられることや、鮮度を保ったままの保存方法がわかって、これからも安心して買うことができますね。
とはいえ、黒くなってしまった種は取り除いて食べた方が安全です。それに、見た目としても、気持ちとしても取り除いておきたいですよね。
私はよく素焼きにしているので、普段は種ごと食べるのですが、日にちが経っていて種が黒くなっていたものを見つけたときには、取り除いて調理をしました。
また、種が白いままのものでも、料理によっては、取りたいときもあるのではないでしょうか。
ただ、ししとうの種を取り除くのは、意外と時間もかかるし、なかなかに大変な作業ですよね。
実は、そんなししとうの種を取ることができる簡単な方法があります。
必要なものは、まな板と包丁、つまようじの3つだけです。
時間もかからず、すぐにできてしまうので、次に種を取って調理したいと思ったときの参考にしてください。
まな板と包丁を使って種を取る方法
まな板と包丁を使って、簡単にししとうの種を取り除くことができます。
調理の間でもさくっとできてしまうので、ぜひ試してみてください。
- ししとうをまな板に置き、手の平でししとうの実を押しつけるようにゴロゴロと転がします
- 包丁でヘタを切り落とします
- ししとうの先端をつまみ、実の部分を逆さまにすると中の芯と種が出てきます
芯が取りにくい場合は、指を入れてつまむと簡単に取ることができます
ししとうを転がすときに、力を入れすぎるとつぶれてしまうので、実から種をはがすイメージで行うと、上手くいきますよ。
つまようじを使って取る方法
ししとうの種は、つまようじを使って楽しく取ることができます。
こちらも簡単にできてしまうので、ぜひ試してみてください。
- ししとうのヘタを取ります(切り落してもOKです)
- つまようじを実の中に入れ、種の周りをぐるりと一周させます
- 実と種をはがすようにして、実の全体をもみもみします
- そのまま逆さにして、先端部分を弾くとポンっと種や芯が出てきます
ししとうの量が多い時でも、楽しくできてしまうので、あっという間に終わります。
どちらも普段使っている道具を使っていて、難しい作業がないことも嬉しいですね。
種が黒い時や料理によって種を取りたいとき、食感が気になるから取りたいときなど、やりやすい方法で行ってみてください。
ししとうは種にも栄養がたくさん含まれている!
今まで、ししとうの種を丁寧に取っていたあなたも、これで楽しくししとうを調理することができるようになると思います。
しかし、その種を取って食べてしまうことは、実はとてももったいない食べ方でもあります。
なぜなら、ししとうに含まれる栄養素は、種と一緒に取ることでよりたくさん摂ることができるためです。
以下では、ししとうの種に含まれている、主な栄養素をご紹介します。
【ししとうの種に含まれている主な栄養素】
- β-カロテン
- ビタミンC
- カプサイシン
- カリウム
- 食物繊維
- ナイアシン
このように、ししとうの種にはたくさんの栄養素が含まれています。
続けて、それぞれの栄養素の働きについて、簡単にご紹介します。
β-カロテンは細胞の老化を防ぐアンチエイジング効果があります。必要に応じて体内でビタミンAへと変化し、動脈硬化を防ぐ効能も期待できます。
ビタミンCはメラニン色素を分解し、肌環境を整えます。さらに病気への免疫力を高め、感染症予防にも効果的です。
カプサイシンは食欲促進、疲労回復の役割を果たします。また、唐辛子の元となる成分であり、実にも含まれています。
カリウムは、細胞の状態や血圧を調整しながら体の恒常性を維持します。むくみや高血圧の予防効果が期待できます。
食物繊維は腸内の善玉菌を増やし、腸内環境の改善による便秘予防の効果があります。
ナイアシンは、脂質や糖質がエネルギーになるために補助する働きをするため、脂肪の燃焼を助けてくれます。
もちろん、ご紹介した栄養はししとうの実にも含まれており、種と一緒に食べることで、より栄養効果を高めることができます。
種が黒い場合は、取り除いた方がよいですが、普段の白い種の新鮮なししとうは、できるだけ丸ごと食べることをおすすめします。
まとめ
- ししとうは種が黒いものでも食べられる
- ししとうの種は鮮度が落ちると黒くなる
- ししとうの保存は通常4日程度だが、保存方法にひと手間を加えれば野菜室で1週間、冷凍で1ヵ月保存できる
- ししとうの種は板摺りの要領やつまようじを使えば簡単に取ることができる
- ししとうの種には、むくみ予防や疲労回復など、体によい効果をもたらす栄養がたくさん含まれている
ししとうは、種が黒いものでも取り除いてしまえば、安心して食べることができるとわかりましたね。
ただ、鮮度が落ちてきているサインでもあるので、種は取り除き、早めに食べきってしまいましょう。
また、新鮮なししとうの種には体によい栄養もたっぷり含まれています。できるだけ丸ごと食べて、健やかに過ごしていきましょう。
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